VTuberグループ「にじさんじ」の人気ライバー・叶さんが、GTA（グランド・セフト・オート）配信中の行動をめぐり大きな炎上騒動に発展しました。
特に中国を中心とした海外ファンから強い批判が集まり、SNS上では激しい議論が続いています。
今回の記事では、叶さんがなぜ炎上したのか、その経緯や炎上の背景、各国のファンの反応、謝罪内容、今後の影響までを詳しく解説してまいります。
目次
にじさんじ叶さんが炎上したきっかけは？
GTA配信での「悪ノリ演出」が波紋を呼ぶ
炎上の発端は、2025年6月上旬に行われたGTAのコラボ配信です。
叶さんは、同じにじさんじ所属の魔界ノりりむさん、ファン太さんとともにプレイを楽しんでいました。
その配信中、ファン太さんが魔界ノりりむさんのキャラクターに対して執拗に攻撃するシーンが展開されます。
さらに、キャラクターの位置関係や動きが「性的な嫌がらせ」を連想させるような流れとなり、視聴者の間でも賛否が分かれました。
叶さん自身は直接の加害行為はしていないものの、現場で笑いながらその状況を見守っていたことが、「傍観していた」「止めなかった」と批判される要因となります。
日本国内では「おふざけ」「ゲーム内のネタ」という声もありましたが、ここから騒動は一気に海外へと飛び火していきます。
悪ふざけだったとしても感じ方が違うよね〜
けど直接加害はしていなくてもなかなか叩かれてるよね
切り抜き動画と翻訳が火種に
炎上を一気に拡大させたのが、SNS上で拡散された切り抜き動画です。
問題のシーンだけを短く編集した動画が、中国語圏のSNSに投稿されると、瞬く間に広がりました。
さらに、翻訳が過激な表現になったことで「性暴力的なハラスメント行為」「女性Vtuberへのセクハラ」として受け取られるようになります。本来の配信の文脈や出演者同士の関係性が省略されたまま一人歩きし、怒りの声が殺到する事態となりました。
中国ファンを中心に炎上が拡大した背景
文化的価値観の違いが大きな原因
今回の炎上の大きな要因のひとつは、日本と中国の文化的な価値観の違いです。
日本では友人間の冗談やおふざけとして受け入れられやすい演出でも、中国では性的表現に対する倫理観が非常に厳しいのが特徴です。
特に「女性が嫌がっているように見える状況」「性被害を想起させる表現」については冗談でも許されないという感覚が強く、多くの中国ファンは「たとえ配信者同士が了承していても、配信という公の場で流した時点で問題」と受け止めています。
また、中国では過去にホロライブのVtuberなども同様に政治的・倫理的炎上を経験しており、VTuber界全体に対する不信感が積み重なっている面も背景にあります。
国によって感じ方も違うんだ！
中国SNSの特徴
今回の騒動は、中国SNSの特性によってさらに拡大しました。
BilibiliやWeibo（微博）といった中国の主要SNSでは、一部の翻訳アカウントが強い言葉で批判を展開し、ファンコミュニティ間での“正義感の連鎖”が発生しました。
拡散速度が非常に速く、感情的な批判が次々に投稿される中で「叶さんがセクハラを容認した」とする過激な見解が定着していったのです。
叶さんの対応と謝罪までの経緯
当初の煽り発言が事態を悪化
炎上が拡大する中で、叶さんは一部の批判コメントに対して配信中に「友達いない奴が文句言ってる」と発言しました。
これが「被害者意識がない」「反省していない」と受け止められ、更なる批判の火種となります。
海外ファンの間では、この発言によって彼の誠実さを疑う声が強まりました。
6月10日の謝罪配信
炎上から数日後の2025年6月10日、叶さんは自身のYouTubeチャンネルで「今回の件について」と題する謝罪配信を行いました。
配信内では、
- 「悪ノリが過ぎた」
- 「多くの方に不快な思いをさせてしまい、申し訳ない」
と、自身の軽率な言動を認め謝罪しました。
また、魔界ノりりむさんにも個別に「嫌な思いをさせていたらごめんね」と伝え、りりむさんは「まったく問題ない」「ネタとして楽しんでいた」と返答しています。
さらに、同席していたファン太さんも自身のTwitch配信にて謝罪し、責任を共有する姿勢を見せました。
海外ファンの反応と今後の余波
英語圏では「傍観者」としての批判が多い
英語圏のSNSや掲示板（Redditなど）でも今回の騒動は注目されました。
ただし、英語圏では「主犯はファン太さんであり、叶さんは止めなかった傍観者」という評価が主流です。
「傍観者としての責任はあるが、直接的な加害はしていない」といった冷静な分析も多く、一部のファンはグッズを手放すなどの抗議を行っているものの、激しい不買運動には発展していません。
海外炎上は今後も継続か？
現時点で叶さんは正式に謝罪を行っていますが、SNSでの議論はしばらく続く可能性があります。
とくに切り抜き動画や翻訳アカウントによる二次拡散が続けば、再燃リスクは依然として残っています。
今回の炎上がにじさんじ運営に与える影響
運営の沈黙と危機管理の課題
にじさんじ運営（ANYCOLOR）は、今回の件に関して公式声明を発表していません。
ファンの間では「運営として説明責任を果たすべき」「ガイドラインの見直しが必要」といった意見が多く出ています。
今後、似たような事態が再発した場合のためにも、配信内容のリスク管理や国際的な配慮が求められるでしょう。
VTuber界全体への波及
今回の騒動は、にじさんじだけでなくVTuber界全体に影響を及ぼす可能性があります。
VTuberという職業自体が世界中に配信される中で、国や文化の違いに配慮したコンテンツ作りが今後ますます重要視されていくと考えられます。
まとめ｜文化の違いとSNS時代の炎上リスク
今回のにじさんじ叶さんの炎上騒動は、文化の違い・SNS拡散の速さ・翻訳による解釈の歪みなど、現代特有の複雑な要因が絡み合った事例でした。
叶さんは正式に謝罪を行い、関係者も謝罪していますが、今後の配信活動にはより慎重さが求められそうです。
VTuber界も改めて「国際的な視点でのリスク管理」が問われる時代に入っています。
今後のにじさんじの対応や、叶さんの配信活動にも引き続き注目が集まります。
